四代目中澤農園|オフィシャルサイト|北海道むかわ町 穂別

中澤家旬報

2021.06.04

散歩の間に生まれた子牛

わたしと娘が、散歩に出発して帰ってくる間に、一頭の牛が生まれた!

もう15日も出産が遅れている牛で、
年は13歳のおばあちゃん牛、「あきら」。

10日遅れの日に獣医さんにみてもらい、
14日遅れとなった昨日分娩を誘発する注射を打ってもらった。
一気に体温が下がり、牛さんの体は出産準備に入った。

そして雨の今朝、牛舎に設置したWi-Fiカメラからの様子では
出産が近くなったことを知らせる「尻尾が上がる」が見られず、

娘の散歩も兼ねて直接牛舎へ見に行こうと、歩いて行った。

自宅からは約10分。

自宅でカメラを覗いたときにはちょうど牛さんが
お腹重たそうにのしっと地面に横たわったところだった。

娘と、道中雨で濡れたよもぎの葉を触って笑ったりしながら
牛舎についたら、「あれ!」子牛のあんよが見えていた。

一次破水だった。

慌てて和晴さんへ電話しようとスマホを見たら、
「駆けつけ通報」が届いていたことに気が付く。

牛さんからのメールです
ちょうど自宅を出る頃に破水してたんだ!

ひとまず和晴さんが牛さんのまわりに乾いたわらを敷いて整えてあげて一度帰宅することに。

こちら、お隣の懐っこい「よつうめ」。なんだもう。

その足で、「だるまいもの芽が出てきた」と昨日聞いていたので
そのままてくてくと見に来てみた。

たぶん、これか?と思われる芽を見つけて撮ってみた。笑


とうきびたちも、小さい体で雨のなかすっくと立っていた。


自宅へ戻る途中、娘が寝た。

牛のことが気になってスマホを取り出してみて
Wi-Fiカメラを覗いてみたら、


お母さん牛の足元に小さな黒いかたまり!
そしてお母さん牛がなめてあげている仕草が見えた。

なんてスピード出産。
どんな難産になるか心配していたけれど、最後はすんなり生まれて本当によかった。
お母さんも元気そう^^

一安心して、自宅へ戻ると、ばあちゃんが
和晴さんの「やっけ」のお直しで針仕事をしていた。

娘をねんねさせて居間に戻るとテーブルの上にタッパウェアがあることに気がついた。

「でんぷんかきつくった」と、ばあちゃん。

先日のお餅の後じまいで出たデンプンでつくったおやつ。

「昔はおかしなんてなかったから、みんなでデンプンつくったら、家族みんなでデンプンかきつくって食べるのが楽しみだった」

そう、ばあちゃんの子供の頃は、じゃがいもを収穫したら
デンプンを自分たちでつくったものだったらしい。

市販の「片栗粉」をばあちゃんが「デンプン」と呼ぶのは正しい。
「馬鈴薯デンプン」なんだもんなと、
まだほんのり温かいデンプンかきを食べながら思った。

ちなみに、「デンプン1 に 水分3」 程度で、このもちもち具合になるみたい。
今日のデンプンかきは、ハスカップシロップと水を合わせて、デンプンに対して3の分量になるようにつくったと。

(お椀型の器の底にデンプン1→シロップ1.5程度→水1.5程度の分量になるようにざっくりと目計りし、鍋でことこと温め練れば出来上がり。)

植物性のゼリーというところ。葛餅、わらび餅のお友達ですね。

「きな粉かけても美味しいかもしらん」とばあちゃんが言った。
そのときはデンプンかき部分を黒糖味にしたら美味しいだろな。

そしてさっきのだるまいもの芽と思しき写真を見てもらったら、やはり合っていた。
種芋を植えてから今年は芽が出るまでに例年の2倍以上の時間がかかっている。
大抵は10日ほどで芽が出るらしい。
今年の穂別はどうやら涼しいみたい。作物、美味しく育つといいな。