四代目中澤農園|オフィシャルサイト|北海道むかわ町 穂別

伝えたい風景

2022.04.21

土がやってくる場所とがんばれ、ありがとう

先日、「土がやってくる場所」をはじめて見た。

そのとき思った言葉をそのままお伝えすると、そう思った。
土がやってくる場所は、ここだったのかぁ。と。

和晴さんが「土を取りに行く」というので、着いていってみたのでした。


森のなかになぜ土を置いているのか和晴さんに質問をしてみると、

「“育苗(いくびょう)ポッド”に入れるための、苗育専用の土をストックしてある」
「ここでその土と、肥料を混ぜて置いてある」
「ここは叔父さんの土地で、土は叔父さん家族と共用している」

そして先代同士(和晴さんの父と、父の弟=叔父さん)が決めた肥料と配合で育苗用の土をつくっているらしい。

ちなみに、畑に作物の苗を植えるまでには段階があり、

1. まず種を入れられるようにくぼみが並んだトレイに種を一粒一粒植えて、

2. 出てきた芽がある程度育ったら、一つ一つトレイから育苗ポッドに移し替え、

3. そうして育った苗を畑やハウスの土に直接植える。

ちょっとずつ、でもあっという間に成長していく。
その間、1ヶ月と少し。


昨日の朝、その「土がやってくる場所」をまた見に行ってきました。


畑までの私道の入り口には、なんともレトロな街路灯。


ひときわ若い木が、ぱっと芽吹いていて目を引かれる。


いつからここに生えていて、いつ、だれの手で切られたのかな。


エゾエンゴサクでしょうか。すごくちなみに、「4月に咲く花の開花期間は20日以上と長く、5月に咲く花の開花期間は5日以下と急に短くなるのは、受粉を助けてくれるマルハナバチが10℃以下では活動しないから」 引用:花游(はなあそび) 文:一條晋さん 発行:定山渓観光協会
花が枯れる姿を見たら、マルハナバチが受粉をお手伝いしたあとなのかな、花を終え次のサイクルに入るんだねと、森にとっての当たり前に感動しそう。

さて、見えてきました。

森の間に、静かに保管されている苗を育てるための土。


そよ風があたりさらさらと上から下へ数粒ずつ落ちていく。「土が乾く」というのはこの経過の結果なのね。


盛られた土の裏には、沢が流れていてその流れる水音が聞こえる。沢はすこーしだけ斜面の下にありキラキラと水面が見えるのですが、写真にはそのきらめきは写せず。


春を知らせる福寿草。栄養多めの土がやってきてラッキーかな?それとも。うちのまわりでは3月下旬には咲き始めていたから君たちはちょっとゆっくりだね。


さて、またね。 静かな森のかげで出番を待ち、出番がきたら小さな苗を育てる苗床(なえどこ)になり、苗が育ったらそのままハウスや畑の土に苗と一緒に植えられる。
穂別の土壌になっていく。

この日はその足で、農作業をしているみんなの様子を見に行ってきました。



スイカの苗へ水やりをする和晴さん。


その苗の近くにピンが置いてあって、なんのためのものかと聞くと「ツルを固定するため」とのこと。


そして今回、このピンをひと苗ごとに置いていく作業を担当してくれている、彼。


この春から四代目中澤農園に仲間入りしてくれた翔(しょう)くん!
(私信:和晴さん!翔くん!この写真、ここで使ったよ!笑 翔くんが北海道入りしてくれてから10日後の3/31 和晴さん撮影。)
関西以南で生まれ育ってこられた彼。大学卒業と同時に北海道 穂別へ飛行機に乗ってやってきてくれました。

地道に、ひと苗ごとに2つずつ。ぽん、ぽんと。

休憩で集まったときにいろいろお話していた流れで、「このピンはキュウリのハウスにはいらない」ということを和晴さんが言った。
翔くんは「キュウリにも配ってしまいました」と言って、「回収します!」とすぐにハキハキと返答を続けた。

がんばれ、翔くん、ありがとう。

こうした色んな段取りや修正作業を積み重ねて、今年も実りの季節へこつこつと向かっています。