四代目中澤農園|オフィシャルサイト|北海道むかわ町 穂別

中澤家旬報

2022.09.19

わたしの「好き」

毎年秋になると出会える「好き」と思う表現があって、


うちの「かぼちゃの規格の表現」がほほえましくて。

畑で収穫しながらコンテナに規格ごとに入れ分けていくのですが、

「 A ・ B ・ C ・ うし 」

と、規格のなかに「うし」が入っていることがなんとも好きで^^

Aは、大きさも十分、表面も綺麗なもの。
Bは、Aよりも小ぶりであったり、表面に傷があるもの。
Cは、お客様へ出荷はできないが家族で食べる分には問題ないもの。
そして、
うしは、Cにも該当しなかったもの。傷がひどかったり、ものによっては傷みがはじまっていたり。
(今年は、A、B、うしの3規格のみだったそうですが)

「規格:うし」のものは、うちで飼っている牛さんが食べてくれる。
ただ、かぼちゃ丸ごとだと、牛さんのお口の形状的にも、かぼちゃの固さ的にも、お口に入りきらず「きゅぽんと逃げられてしまうそう」で(和晴さん談。きゅぽんと音がしてお口から飛んでいくらしい笑)、手作業でカットしてあげている。


牛さんがかぼちゃを食べている写真が見つけられず、夏にとうきびの皮を食べている様子を。牛さんはうちの廃棄物・フードロス担当です。 

今年、その「規格:うし」のものは、ある豚さんたちのところへ行くことに!

豚さんたちが暮らすのはわたしたちの隣町にある「CURLY FLATS FARM(カーリーフラッツファーム)」という農場で、

 「北海道南部の日高町と新冠町の境界部、美しい川の流れる谷あいにあり、Regenerative Agriculture(リジェネラティブ アグリカルチャー)という循環型農業のひとつの考え方にそって、様々な家畜(黒豚、羊、ヤギなど)を自然放牧しています。」

という素敵な素敵な信念のもと運営されている農場です^^


オーナーのサイモンさん、オーストラリアのタスマニア生まれ、ニュージーランド育ち

メールを見返せば、CURLY FLATS FARMさんとはじめてやりとりをしたのが2019年の3月。

そのときのメール自体は残っていないので詳しい内容はわからないのですが、和晴さんとわたしとの間のやりとりの記録を追うと、
「たくさんの子豚たちのごはんに、農園から出る廃棄野菜などを分けていただけないか」、というようなご相談だったのだと思う。

わたしたちは「たくさんの子豚たち」というワードにとてもわくわくうきうきしている様子で!、

「子豚に会いたい笑!」「4月に寄れたりしたらいいね」「オーストラリア人オーナーというのも気になる(和晴さんがNZに留学していたので)」
「子ブタさん見に行きたいって(電話で)言ったら、困るほどかわいいですー! オーナーが喜びますー!ってさ!」
「早く会いに行きたいね〜 “鶏、あひる、うさぎ、羊、ヤギ、豚が少数ずつおり、それぞれ放牧を主体とした循環型農業を実践したいというオーナーの方針のもと3年ほど前に、旧競走馬牧場を買い取りまして始まりました。” 興味深し。」

そして和晴さんが、「子ブタプロジェクト/子ブタにえさを!」と題して、年間なにを提供できるかノートに書き出したりしていた。笑


 こちらは2020年の様子

それから4年目、いまもこの交流は続いている。
先週、サイモンさんが何往復もしてくださり、「規格:うし」のかぼちゃを今年もお渡しできた。

このかぼちゃたちが、豚さんはじめFARMのみんなの冬への備えになるならとても嬉しい。


 SNSの投稿で見かけてわたしたちが目を奪われたキュートすぎる冬のシルエットたち

いま、このCURLY FLATS FARMさんがあるプロジェクトをスタートさせている。
わたしもこの夏からそのお手伝いを!

 「【荒廃した牧場再生】動物と人が集う、美しい谷のファームビレッジづくりに応援を!」

表題はまだ仮題ですが、CURLY FLATS FARMさんの北隣にある農場が放棄され荒廃している現状を変えるべく、荒廃した農場を買い取り、そしてファームビレッジとして動物と人が関われる場をつくりはじめている。

すでに、一番荒れている豚舎の、

その撤去作業がはじまっている。
(写真は、CURLY FLATS FARMさんよりお借りしました。解体前の、荒廃した様子。)

将来、羊の毛刈りや羊毛の紡ぎ、山羊や羊のチーズをつくったり、ファームハウスへの宿泊もできるような場になることが構想のなかにあり、
四代目中澤農園に遊びに来てくださった方がこちらのFARMさんへも足を伸ばしてもらえたら。。。なんて楽しいコースをほわほわと想像しています^^

近く、クラウドファンディングの場で詳細をアップする予定なのでぜひ見てみてくださいね!
わたし(四代目の嫁)も、撮影や彼らの言葉をまとめるなど文章づくりで参加しています。

撮影現場の一コマ、大好きなスタッフあさこさん運転のもと、木花とふたりトレイラーに乗って放牧地へ連れていってもらいました^^ Photo/家畜写真家Artistタキミアカリ

隣町のFARMさん、心から応援しているし、私たちの農園も代を継いで2年目からのお付き合いのため見守って頂いているような、ともに歩んでいるような気持ちでいます。

以前試食でプレゼントして頂いた、サイモンさんがつくる自家製のソーセージがお肉の味もスパイスもしっかりきいていて、無添加で、本当に美味しくて。あの味をまた味わえる日が心待ち!  (ソーセージは2つのラインで作られる予定とのことで、厨房でこだわって作る自家製のものと、専門のお店屋さんにつくってもらうものを準備中とのこと。)

最後に、CURLY FLATS FARMさんの信念が見えるエピソードを、わたしが聞いたなかから一つご紹介いたします。
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…例えば、一般的な経済動物としての豚は6ヶ月で出荷させるところを、
私たちの豚は4シーズン(四季)をFARMで必ず過ごしています。
産業として考えれば、生産性も悪く、ベストな判断ではないかもしれない。
しかし、4シーズンを生きたことの豚の誇りのようなものを私たちは大切にしている。
『その食べ物がいったいどこからきたのか?』。
うちの豚のお肉は、理想的な年齢であったり大きさではないけれど、
「たしかに4シーズン生きた豚だった」、
そのことに思いを馳せられるようなFARMであり続けたいと考えています。

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クラウドファンディングがスタートできましたら、こちらでまたお知らせいたしますね^^


君たちがとてもよろこんでうちのかぼちゃを食べてくれて嬉しいよ

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