四代目中澤農園|オフィシャルサイト|北海道むかわ町 穂別

journal

2021.09.12

SALVAGE YARDというプロジェクト

わたしがとても大事にしているプロジェクトがある。

「SALVAGE YARD」

サルベージヤードと読みます。
詳しくはこちら。

今日、そのプロジェクトを一緒にやってきた「中村さん」に久しぶりにお会いした。
彼はいまとても素敵なお店を長沼にオープンされていて、そのお店に和晴さんと娘と立ち寄ったのでした。

中村さんの本業のひとつは「町の大工さん」「yomogiya」
そして今年新しく開かれたお店が「パイ屋さん」PIE ME

オーストラリア出身のカールさんと一緒に開かれたパイ屋さんでは、
カールさんがアレンジされたオーストラリアの文化を美味しく味わえる。

パイを片手で気軽に食べるところや、スチームミルク×エスプレッソの「Flat White」など、大好きなニュージーランドを思い出せて私たち夫婦にはとても嬉しい。

ちょうどお店に入ったときはお客さんは私たちだけになり、少しお話ができた^^

そして少ししたらお客さんが立て込んできてお店の外に並ばれはじめたので、
バタバター!とオーダーを決め、静かに、提供されるのを待っていた。

帰り際、ドリンクの「Golden Milk」(「アーユルヴェーダのパワードリンク、チャイのような味わい」ターメリックなどのSpice・Coconut Milk・Soy。とのこと、大好き!)を中村さんが提供してくださりながら、

小さな声で、来年の「こんな話があるよ」というSALVAGE YARDについてのお話をしてくれた。

とても心がわくわくした。

SALVAGE YARDというプロジェクトは、活動ができていない期間も心のなかにずっとある。

2018年、地震があったその翌月にプロジェクトを立ち上げてから、
今年で丸3年。

おもなプロジェクトメンバーは4人、かな。
中村さん、カールさん、そして祐季さん、わたし。
みんな、この3年の間に変化がたくさんあったのかもしれない。

なんと4人のうち3人にその期間に子どもが生まれ!、
中村さんとカールさんは大工さんとして北海道内たくさんの素敵な店舗施工を担当されながら「PIE ME」というご自身のブランドのパイ屋さんをオープンされ。
祐季さんは北海道-本州間でのお引っ越しもあったり、と皆ちょっと身の回りが忙しかった。

また祐季さんと私は、中村さんたちとは普段は異なる地域に住み、職種も皆違う。
一年の中で顔を合わせる機会はあまりない、もしくはほとんどない。

でも、「SALVAGE YARD」というプロジェクトは私にとってなんだかとても大事な繋がりだった。

今年の冬、SALVAGE YARDでこれまでに制作した古材のプロダクトを、ひとつでも
四代目中澤農園のオンラインストアにアップしたいなと思っている。

だれかの復興の力になりたい、という大きな意義はもちろんあるけれど、
それこそ大きな目で見れば自分だって、2018年の北海道胆振東部地震で被災したと言われる地域に住むひとりだ。

そして今はコロナ禍のなか四代目中澤農園としては、外食産業の営業縮小の長期化でだるまいもの売れ行きが落ちていて、余剰になってしまっている。
踏ん張らなければいけないうちの一事業者でもある。

そのなかで、自分にとってSALVAGE YARDってなんだろう。
どんなプロジェクトなんだろう。これからどんなプロジェクトであったらいいのだろう。


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「埋もれた価値を”salvage”する」
壊れたもの。壊されるもの。捨てられるもの。
地震、台風、津波など災害の多いこの国で、
長く耐えてきた古材たちの”捨てる”以外の選択肢。
価値をsalvage (救出)し支援に変えるプロジェクト
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それが、元々プロジェクトを立ち上げたときの意義だった。


古材の持ち主だった人がいる、
古材をリデザインする私たちがいる、
古材を喜んでくださる人がいる。

みんなで、捨てる以外の選択肢とその行く末を、喜びあえたらそれでいいのかな。

< salvageyard とは >
このプロジェクトは厚真町のとある納屋からはじまりました。
震災被害に遭い、全壊指定となったその納屋から古材をsalvage(救済)してきました。
 
解体前に、使える古材を回収することで、厳密にはゴミが減ることになり、わずかかもしれませんが解体費用が減額になります。
そして、古材を販売して、その利益を納屋の持ち主の方に返金する仕組みです。
 
社会的にみても、ゴミを減らすことができ、そして、古材という新しい価値をみなさんと共有することができます。
これは、意義のある素晴らしい取り組みだと信じています。
 
このプロジェクトの名前は、salvage yard。
 
壊れたもの。壊されるもの。捨てられるもの。
台風、地震、津波。。災害の多いこの国で、そこに埋もれた価値をsalvageし、支援に変える仕組みです。
 
そして、”捨てる”以外の選択肢を作る。これを常識にする。
 
これがこのプロジェクトのビジョンです。

2018年10月18日、当時中村さんがアップしてくれた言葉。
 
 

ひとまず、こつこつ動いてみよう。自分にとって大事なプロジェクトであることに変わりはない。
オンラインストアでは、北海道胆振東部地震で全壊指定になった厚真の農家さんの納屋からSALVAGEした古材で制作したインテリア小物をアップしようと想像している💭

SALVAGE YARDのインスタグラムのスクリーンショットよりインテリア小物のイメージ参考
 
 
「ひとを幸せにする仕事をしたい。だから、勇気をもって。」
2013年3月、ウェディングプランナーとして勤めていた会社から転職を考えていたときに書いた日記の一言。
なにかをはじめるときにはいつも思い出す、わたしの初心です。



そしてパイはとても美味しかった!写真上「ラム肉とアーモンドのスパイシー炒め」、下「ブルーチーズとブルーベリー」。ラムの味わい最高。そしてブルーベリーの方は、中身にたどり着く前の一口目、タルト生地・パイ生地から既に美味しかった。
 
 
今回のジャーナルは、この冬やってみようと考えていることの予告、共有でした^^