四代目中澤農園|オフィシャルサイト|北海道むかわ町 穂別

中澤家旬報

2021.08.16

ひと息のタイミング

秋がきた。

このまままっすぐ涼しくなるかはわからないけれど、
連休最終日であってオリンピックの閉会式の8日の夜、
いつもの2Fの吹き抜けにあるデスクで窓に向かってPCを開いていたら、

窓の外から感じる空気感が秋だった。

漂う風が涼しくて、虫の声は秋の虫たち。

そう思っていた翌日の夕方、中澤家は、自分も含めて久しぶりに皆が早く帰宅した。
早く帰ってきたし、日中もどことなく少しだけゆっくりしていた。

季節に合わせて生活している。

・・・・・・・

と、ここまで先週のうちに書いていて、またあっという間に一週間。
あの頃は「まだ夏の余韻があってほしい」と願っていたけれど、あれから暖かくなることなくすっかりと長袖生活になった。


がらりと寒くなって和晴さんがライトダウンを着た日、8月9日。雨の中の収穫。

先日、一度だけお会いしたことのある方とメッセージのやりとりをしていて、
なんだか「そうだった」と安心できたことがあった。

「結婚して4回目の夏、ようやっと、四代続く農家という家業のなかで自分の立ち位置がわかったような夏でした。」
「結婚したら遠出出張が減って物理的に立ち止まっていることが多く、精神的にも立ち止まっているような気がしていましたが、新しい環境を冒険していることに違いなかった。」

今年の夏は、忙しかった。
すっかりいきなり涼しくなった今も、まだその余韻はあるけれど。

ともりんの発送が6月の下旬にはじまってから、
次に始まったメロンの発送、スイカの発送、とうきびの発送。


メロンの糖度を測っているところ


とうきび発送作業中、娘をおぶさり


ばばにおんぶしてもらっているうちに寝たらしく、気付いたらスイカの間で寝かされていました笑

6月に夏のDMをお届けしてから受注作業のあと、
怒涛のようにはじまった収穫とその発送にかかる作業。

収穫を予定していた日程にメロンの積算温度が足りなくてもう一歩成熟しておらず、発送を遅らせるご相談をしたり、
積算温度が足りないという涼しい日々のあとに今度はびっくりするような猛暑がやってきて、人手不足もあり特にスイカの木を夏バテさせてしまいスイカが早く終了してしまったり、とうきびが予想より早く過熟になってしまったり。

6月からずっと、嬉しいお声もたくさん聞けて励まされながら、お客様にご相談をしなければならない出来事もあり、
毎日毎日、わたしは畑ではなく、PCと電話に向き合う時間が多かった。

「自分の立ち位置がわかったような夏だった」
わたしには畑の知識はないし、暑さに弱いし、力作業は得意ではない。
そのわたしが農家に嫁いで4回目の夏、オンラインストアをオープンして2回目の夏、
とにかくお客様と接していた毎日だった。
コロナ禍の時代を表すように対面ではなく、PCの画面を通じて、お送りするお荷物や伝票を通じて。

2018年に結婚したとき、会社をやめて独立して仕事をはじめてから丸2年が経っていた。
その2年で、地球を3周するくらい車で移動しながら仕事をしていたわたしは、結婚してパタリと止まっていい状態になったことにとても不慣れだった。

物理的に立ち止まったことで、精神的にも立ち止まっているように感じていた。

でも、たぶん違って、わたしは新しい環境を冒険していることに違いなかった。

「昨日も、今も頂きました。やっぱり美味しい。〜 仏壇も賑やかに、送り火をしました。」
「美味しかったです。遅くなりましたが送り火の日にゆうちょ銀行から振り込みました。」

今日頂いた東京と大阪のお客様からのメールに、送り火のことが書いてあった。

そっか、今日はお盆が明ける日、送り火の日なんだな、としみじみした。

中澤家、仏間

今年はたくさんの方とやりとりしたなぁ。
楽しい夏でした。

どんな方がどんな場面で楽しんでくださっているのか。
四代分のお客様というと果てしなく目が届かない気持ちだったけれど、だいぶお声が聞こえてきた。

うちはおしゃれな野菜をつくっているわけではなく、どちらかというと北海道らしくて昔ながらのものが多い。
それでいいのだと思う。

「また来年!!」と、ともりんを注文してくださった方からのメールが締めくくられていた。

ともりん、メロン、スイカは今年はお仕舞い、また来年どうぞ宜しくお願いいたします。
特にスイカは、お盆前に終了してしまいお届けできなかった方大変申し訳ありませんでした。

今年の反省を生かして、来年もまたいろんな試行錯誤をして育てますので、夏の楽しみのひとつにしていただけましたら幸いです。


とうきびはもう少し、あります!